東洋医学で未病予防ー冬のポイントは外からの邪が入る「皮膚・肺」

冬は皮膚と肺を丈夫にして風邪の侵入を防ごう

東洋医学では、外から邪が入る経路を、「皮膚」と「口鼻」の二つに大別しています。
皮膚から侵入するのは、いわゆる風邪のことで、原因は「寒」が主。口鼻から侵入するのは、インフルエンザなどの高熱が出る流行病。予防方法が異なるので、冬の時期に多い、皮膚から侵入する邪である、いわゆる風邪の予防について書きます。  

皮膚を丈夫にする

◆皮膚を丈夫にする
侵入が皮膚からなので、皮膚を鍛えるのが良い。
本格的に寒くなる前から乾布摩擦を軽く行なうのが有効。ただし、強く摩擦し過ぎると皮膚を傷めて逆効果になるので、優しく軽くなでる程度で良いです。
特に後頭部から脊椎の3番目にかけてが大切。うなじから肩にかけてを優しく手の平でなでるだけでもいい。なるべく毎日続けましょう。
◆汗
特に運動や入浴をした訳でもないのに、ジットリと汗をかく人や、逆に汗が出るべき時にかかない人がいます。どちらも体が弱っている証拠です。
ジットリ汗をかく人は、特に体を冷やさないようにしましょう。汗をこまめに拭き取り、汗をかいたままにしたり、服が湿ったままにしないよう注意が必要です。体はかなり弱っていると考えられるので、どこが弱っているのかを確かめ、本格的に寒くなる前に弱りを軽くしておきたいところです。
汗をかかない人は、運動をして汗をかけるようにしましょう。

肺を丈夫にする

◆肺を保護する
皮膚を管理している臓腑は肺です。そして、肺は感情の中の「悲しみ」によって特に傷められます。悲しみが多い人や深い人は肺が弱り、結果的に皮膚の守りが弱ります。気持ちを切り替える努力をしましょう。
◆肺を丈夫にする食べ物
香辛料は食べ過ぎると肺を傷めますが、少量を摂ると肺の働きを活発にします。
ゆり根、山芋、ごぼうも肺の働きを助けます。同じ物を食べ続けると、結果的にはバランスを崩すので、数日置きにどれかを食べるようにすると良いです。また、その土地のもの・旬のものを基本として次節に合わせて取り入れると良いです。

初期の風邪に

◆汗をかいて邪を追い出す
予防をしていても風邪をひいてしまった場合は、引きはじめなら次の方法で追い出すことが出来ます。
先ず、ふとんを敷いて、2〜3組着替えを枕元に用意します。生姜入りの葛湯を飲むか、七味唐辛子をたっぷり入れた熱々のうどんを食べ、お風呂で芯から体を温め、すぐに布団に入ります。
生姜と葛湯や、七味唐辛子とうどんの温かさと風呂の熱で、体は内からも外からも温められているので汗が出ます。この汗によって邪を追い出すことが出来ます。
その際、着替えて湿った寝巻きのままでいないことが大切です。


 

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