主な国産ワクチンの特徴と供給開始時期

主な国産ワクチンの特徴と供給開始時期

新型コロナのワクチンの追加接種では1・2回目と異なるワクチンを打つ「交互接種」が推奨されています。過去2回の接種でファイザーを接種した人はモデルナを、モデルナを接種した人はファイザーを接種する方が中和抗体価が高くなることが判明しています。
 ただ、両社ともmRNAワクチンであり、繰り返し接種すると自然免疫が壊される可能性も指摘されています。mRNAではない国産ワクチンを待つ、さらに治療薬、例えばペプチドリーム経口薬など少量で変異株にも効果が期待されるものなど、来年には実用化されるものもありそうです。自身の感染の危険性等を充分考慮した上で選択しましょう。主な国産ワクチンの特徴と供給開始時期。

【製薬会社「ワクチン種類」及びワクチンの特徴と(承認供給時期)】

塩野義製薬「組換えタンパク」
「国産ワクチン第1号」の有望株。ウイルスのタンパク質(抗原)を昆虫の細胞で培養。インフルエンザワクチンなどですでに確立された手法。ウイルスそのものを投与しないので副反応が起こりにくい。(2022年3月までに承認申請)

ノババックス 武田薬品「組換えタンパク」
米ノババックス社が技術提供。臨床試験で有効率90%。インフルエンザワクチンなどですでに確立された手法で安全性が高い。厚労省へ承認申請済み、1億5千万回分の供給契約済み。最も早く供給される見通し。(2022年初頭供給へ)

KМバイオロジクス「不活化」
増殖能力を無くし無毒化したウイルスを使用する従来型ワクチン。長期的にも大きな副反応の無いことが分かっているが充分な効果を得るには複数回の接種が必要。コロナウイルスの全粒子を使用するため、より多様な抗体が作られると期待。(2022年中承認取得)

第一三共「mRNA」
ファイザーやモデルナのmRNAワクチンとは異なり、毒性のあるスパイクたんぱく質全体ではなく、その一部(ヒトの細胞に結合する部位のみ)のmRNAを使用。精製過程を工夫し、副反応を引き起こす物質を除去。安全性を高めた。(2022年中)

VLPTジャパン「次世代型mRNAレプリコン」
米企業の子会社。次世代型mRNAワクチン。抗体を作る働きに加え、ワクチンそのものが体内で増殖し抗体を作り出すため、接種が少量で済み副反応の恐れも低い。ワクチンは1カ月で体内から消えるため安全性が高いという。(2022年に承認申請)

アンジェス「DNA」
ウイルスの遺伝情報をDNAを使い体内に送り込む新開発のワクチン(国内で承認例なし)。これまでの治験では期待する有効性はなく、投与量を増やして再開発中。(2023年)

田辺三菱製薬「ウイルス様粒子(VLP)」
カナダ子会社メディカゴが開発する世界初の植物由来ウイルス様粒子(VLP)ワクチン。植物でワクチンの元になる物質(ウイルス同様の外部構造)を作る技術で高い有効性が期待でき、遺伝子情報を持たないため体内でウイルス増殖がなく安全。(2022年春承認申請)

出典:厚労省「新型コロナワクチンの開発状況について」他

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