- 2022-7-21
- 医療ニュース
7月20日、厚生労働省薬事分科会と専門家部会の合同会議で、塩野義製薬の新型コロナウイルス感染の新薬「ゾコーバ（エンシトレルビル）」の緊急承認見送りが決定されました。
有効性の判断できず
今回の審査は、今年５月に創設された「緊急承認制度」に基づいており、有効性が判断できないという意見が多く示されていたため、継続審議扱いになったとのことです。現在、国内で承認されている飲み薬は２種類で、どちらも米国メーカーが開発したものとなっています。
「ゾコーバ」は国産初の新型コロナ飲み薬として期待されており、塩野義製薬と政府は、薬事承認後に約１００万人分の販売で基本合意しています。
国産薬の重要性
「ゾコーバ」はウイルスの増殖抑制を狙った薬で、体内のウイルス量の減少効果については確認されているとのことですが、総合的な症状の改善については統計的に有意な差が認められず、承認には至りませんでした。また、動物実験では、胎児の骨格形成異常が確認されていることもあり、今後の課題も多そうです。
塩野義製薬では、秋にも臨床試験の結果をまとめ、承認を受ける方針です。昨今、様々なカントリーリスクが現実のものとなっており、安全に安定的に供給できる国産薬の開発は急務です。一刻もはやく、安全で有効な治療薬が求められます。
