「老年科・高齢診療科」(かんたん医療用語7)

大学病院など大きな病院では高齢者を専門に診る、「老年科(高齢診療科)」を設けているところがあります。高齢者は若年成人の医療とは異なった特徴を持っているので、小児科と同じように科を独立させて診療にあたっています。全身の病気を診る、総合診療科の高齢者版といったところでしょうか。これを『老年医学』といい、学会があり、専門医資格(老年病専門医)も認定されています。
高齢診療科が診療することが多い病気としては、認知症、動脈硬化性疾患全般、呼吸器疾患(嚥下性肺炎、COPD、間質性肺炎、肺がん)、骨粗鬆症、圧迫骨折、睡眠時無呼吸症候群などのほか、食欲不振や体重減少の精査などがあります。ご高齢で複数の病気を抱えていて、どの診療科に行けば良いか迷っている方、はっきりとした病名が分からない方は一度、老年科を受診されてください。内臓系の病気から整形外科など、診療科の枠を越えて相談に乗ってもらえます。老年科がある病院はまだ少ないですが、超高齢化社会を迎え、今後はますます重要になってくる分野といえます。

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