- 2022-2-4
- 医療ニュース
リンパ節は免疫機能を発動する「関所」のような役割をはたす
◆体内には動脈と静脈、リンパ管があり、体全体の新陳代謝を担っています。リンパ節は、全身に網の目のように張りめぐらされたリンパ管の途中にあり、免疫器官の1つです。全身で細菌、ウイルス、腫瘍細胞などがないかをチェックし、免疫機能を発動する監視役の役目をします。
リンパ節は全身にあり、首にある頸部リンパ節、わきにある腋窩リンパ節、腹部のリンパ節、脚のつけ根にある鼠径リンパ節、膝窩リンパ節などがあり、免疫担当のリンパ球が集まっています。
自分の病歴と関連する科を早期に受診しよう
リンパ節が腫れる原因としては、感染症、免疫・アレルギー異常、血液のがん、がんの転移などがあげられます。
◇耳鼻咽喉科・頭頸部外科での対応:首にリンパ節の腫れ、しこりや痛みといった症状が現れた場合は、耳鼻咽喉科の領域です。首のリンパ節の腫れの主な原因は、炎症または腫瘍です。
炎症が原因の疾患に、ウイルスや細菌の感染による急性リンパ節炎、慢性リンパ節炎などがあります。急性リンパ節炎は頻度が高く、通常は抗菌薬や消炎鎮痛薬の投与により1~2週間で良くなります。結核によるリンパ節炎は、結核治療が必要です。
腫瘍では、病巣が頸部だけにとどまっているのか、他にも転移しているのか、または、他の部位のがんがリンパ節に転移してリンパ節が腫れているのか、検査して診断します。
◇他の科での対応:浮腫には「リンパ浮腫外来」や、血液内科、循環器内科、腎臓内科、肝胆膵内科なども対応しています。まずは、自分の病歴と関連する科を早期に受診しましょう。
浮腫の原因はいろいろ考えられますので、浮腫以外に、呼吸苦(肺うっ血)があるなど自覚症状があれば、併せて医師に伝えましょう。
◆下肢が浮腫む下肢腫脹では、「両足なのか片足なのか」もポイントです。片足なら「その足自体に原因がある」、両足なら「全身疾患」の検討が必要です。心不全や腎不全、肝硬変でも浮腫は生じます。
桜の花出版編集部(編)『国民のための名医ランキング 2021~2023―いざという時の頼れる医師ガイド 全国名医1045人』桜の花出版、2020/8/16、ISBN:978-4434275999 より