東洋医学で未病予防ー口鼻から侵入する邪を防ぐ

皮膚から侵入する邪を「風邪」、口鼻からの邪を「温病」と区別

東洋医学では、外から邪が入る経路を、「皮膚」と「口鼻」とに大別しています。皮膚から侵入するのは、いわゆる風邪(かぜ)のことで、今回は、口鼻から侵入する邪の予防法についてです。
口鼻から侵入する邪は、「温病(うんびょう)」と言われ、性質は「熱」に属します。風邪は「寒」なので、自ずとその予防法も対処法も異なってきます。

口や鼻から入る邪は、その段階で治せなければ、その次に臓腑に入るので急に重症になりやすくなります。現代医学では、インフルエンザなどの流行病に相当します。

予防方法は…

●体を冷やさない
これは全ての病の予防の基本となります。体が冷えると気血の巡りが悪くなり、気の作用の一つの防御作用が弱ります。体を冷やさないためには、水分(お茶、コーヒー、牛乳、ジュース、お酒なども水分と考えます)、火を通さない食べ物(果物、生野菜)、甘い物をひかえる必要があります。
食べると良いものは、地元で採れる旬の食べ物、根菜類などです。ただし根菜類の食べ過ぎは胃腸を弱らせるのでちょうど良く食べて下さい。


●質の良いタンパク質や質の良い脂質を摂る
タンパク質や脂質は粘膜や免疫細胞を作る材料になります。足りないと、口鼻から進入する病原体を防ぐ力も弱ります。冬場は卵を積極的に摂ると良いです。

もし罹ってしまった場合は…

口鼻から入る邪の症状は、いわゆる風邪と比べて高熱が出る場合が多くあります。風邪は悪寒(おかん)が強いのに対して、口鼻から入る邪は、悪熱(おねつ:温かい飲み物や温めることを嫌がること)が強く出ます。
熱の邪の場合は邪が内攻(*)しないようにするのが肝要です。体を必要以上に温めないこと。
例えば、生姜入りの葛湯や卵酒を飲んだり、風呂に入って良く温まるのは、熱に熱を加え、病を悪化させます。
*内攻:治療、養生が良くないために、肌表外位にある病が内に入り、内臓を侵すこと。

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