厚生労働省は4月19日、米ノババックス社が開発した新型コロナウイルスワクチンを正式に承認しました。国内で使えるワクチンとしては、4例目。承認済みの3種類とは作用の仕組みが異なるということで、承認が待たれていました。
「組み換えたんぱくワクチン」というタイプ
これまで主に国内で使われてきたファイザーやモデルナの「mRNAワクチン」では、遺伝情報を伝達するような物質や遺伝子を投与して体内で新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質を生成しましたが、ノババックスのワクチンはスパイクたんぱく質そのものを投与して、免疫の反応を引き起こします。すでに「帯状ほう疹」や「B型肝炎」などのワクチンで実用化されている手法です。ただ、治験はオミクロン株の流行以前に行なわれていて、オミクロン株に対しての効果ははっきりしていないそうです。常に治験と承認との間には時間差があるので、どうしても後追いになってしまいます。
「5月下旬から合計10万回分の配送を自治体に示した」
武田薬品工業が国内での生産や流通を手がけることになっていて、後藤厚生労働大臣は、「ワクチンの種類の多様性を図るために、1億5000万回分を去年2021年9月に購入した。来月5下旬から6月上旬にかけて合計10万回分を配送することを自治体に示した。」とのことです。2022年初頭の供給予定と言われていたところが、遅れていたので、朗報です。なお、アメリカでは、2022年1月31日にFDA(アメリカ食品医薬品局)に緊急使用の許可を申請したと発表されていますが、まだ許可は出ていません。
暖かくなり、感染者数も減っていくことを期待しつつも、感染して後遺症に悩んでいらっしゃる方々のニュースも多く見られます。どのタイミングでどのワクチンを打つか、個々の生活スタイルや既往歴によって難しい選択が引き続き迫られています。
NHK NEWS WEB 「ノババックスのワクチンが正式承認 早ければ来月末接種開始へ」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220419/k10013588541000.html (最終アクセス2022年4月19日13時)